22.12.15
在宅看護論方法論Ⅰ演習(2年生)
在宅看護論方法論Ⅰでは「在宅で療養する意味を理解し、在宅看護における日常生活援助の具体的方法を理解する」を単元目標とし、社会資源を活用、用具の工夫など、在宅で療養する意味を理解し、個別の環境をいかした日常生活援助の基本技術について学習します。
最終講義では、訪問看護(在宅看護)の場面を想定し、「在宅での日常生活援助」の事例演習を行いました。
グループに分かれ、それぞれの役割(療養者・訪問看護師・介護者)を担当することで、在宅療養について更に理解を深めることが目的です。
【 事 例 】
Aさんは80歳代女性、脳梗塞を発症し入院、急性期・回復期リハビリテーションが終了し、在宅療養へ移行となりました。後遺症として麻痺が残り嚥下障害もあるため胃瘻を造設、夫と二人暮らしとなり訪問看護が開始となった設定です。
各グループ、日常生活援助内容を決め、計画を立て実施していきます。
療養者になりきる学生、訪問看護師役となり介護者と一緒に援助をしています。
演習を終えて(学生のレポートより)
- 適切な援助方法により、低下しているADL* を取り戻す支援に繋がることがわかった。
- Aさんのような残存機能を活かし住み慣れた家で、活動範囲を拡大できるような支援をしたいと思った。
- 本人と家族が目標を持って、Aさんらしさを発揮し在宅療養生活を継続できるよう支えていくことが重要であると感じた。
- 病院では患者さんであるが、在宅療養者は「生活する人」であることを忘れずに関わっていきたい。
- 日常生活援助は療養者の生活習慣や価値観を大切にしていかなければならないと改めて感じた。
- 在宅看護に興味を持った。在宅実習ではもっと実際の療養生活と看護者との関わりついて知りたい。
- 療養者だけではなく家族、その背景も訪問看護の対象であることが理解できた
- どうしたら安心して療養生活が送れるのかグループ内で考え、演習に活かすことができた。
* ALD(日常生活動作):食事や移動、排泄など日常生活の中で生じる基本的な動作のこと。
2年生は今、各領域における看護過程の展開をしています。
年が明ければいよいよ領域別実習が始まります。
これまでの学びを生かし、有意義な実習となることを願っています。
22.12.01
第16回 立志式
雄大な立山連峰のパノラマが映えるさわやかな秋空の下、11月25日(金)に2022年度「立志式」が執り行われました。
今年度の戴帽生は2年生28名。
10月17日(月)~11月2日(水)まで13日間の基礎看護学Ⅱ実習を終えたばかりの学生たちです。
新型コロナウイルスの対応で受け入れ停止期間のあった実習病院もあり、全員が13日間の臨地実習とはいきませんでしたが、それぞれが病床に在る患者様を想い、そして回復を願い、必要とされる看護について考え実践しました。
実習終了後、休み時間を利用し短い期間で「ナイチンゲール誓詞」、第16期生「誓いの言葉」を練習し当日を迎えました。その様子を紹介します。
看護学科長より、男子は胸元にハンカチーフを、女子は看護師の象徴ともいえるナースキャップをいただく『戴帽の儀』です。
看護師としての自覚や責任の重さを感じることができたのではないかと思います。
その後、式はキャンドルサービスに移ります。
ナイチンゲールの看護の心を受け継ぐべく『灯』をいただきます。 そして、28名が声を揃えて「ナイチンゲール誓詞」さらに第16期生「誓いの言葉」を唱和しました。
私たちは
どんな時も笑顔を絶やさず
人々に思いやりの心を持って接します
私たちは
看護師を志す者として
自覚と責任を持ち
何事にも誠実に向き合います
私たちは
仲間と協力し合い向上心を持って
患者さんの心に寄り添う看護を行うために
努力することを誓います
学校長から式辞、在校生からのお祝いの言葉や花束贈呈と滞りなく立志式が行われ、式終了後の集合写真では、零れんばかりの笑みと誇らしげな表情が印象的でした。
年が明けると、いよいよ専門分野Ⅱ実習が始まります。
様々な年代・健康レベルにある患者さんと出会い、悩みながらも成長していく学生たちを見守り、支えていきたいと思います。
22.10.13
2年生演習 一次救命処置(9月20日)
2年生「基礎看護学方法論Ⅷ」の授業では、救急看護に必要な技術について演習を行いました。
済生会富山病院の救急外来副師長 森先生を講師としてお招きし、心マッサージやAEDなどの一次救命処置についてご教授いただきました。
意識を失った患者の脈が触れない! すぐに胸骨圧迫を開始します。
協力者を得て、AEDを使い、回復を目指します。
現場さながらのデモンストレーションに、学生たちは真剣な表情で見入っていました。
デモンストレーションでイメージを掴んだ後、学生は「胸骨圧迫30回後、人工呼吸2回を1サイクルにとする一連の流れ」を実践しました。
応用編として、次の2点についても実施しました。
か考える。
2)外出先で見知らぬ人が突然倒れて、AEDが必要となった事例に対応する。
【 学生の学び 】
- 効果的な胸骨圧迫を続けるためには体力が必要である。
- 緊急時は協力者を求め、対応することが重要である。
- いざという時に使えるように準備することは必要である。
22.10.07
富山県看護学生交流会
9月2日(金)、夏休み明け最初のイベントである富山県看護学生交流会が開催されました。
今年も新型コロナウィルス感染症の感染拡大に伴いオンラインによる開催ではありましたが、富山県内の看護学校6校7課程の1年生約340名の学生が参加しました。
当校からは、1年生31名が参加しました。
最初に、参加校による各学校紹介がありました。
当校はプレゼンテーションソフトを使用して学校紹介を行いました。
動画やダンスをする学校もあり、各学校の魅力が伝わってきました。
学校紹介の後は、学生交流活動としてオンラインでも楽しめるクイズとビンゴゲームが行われました。
クイズでは、看護学生に必要な医療的知識を語呂合わせで覚えられたり、今まで勉強してきた内容に関するクイズが出題されました。
ビンゴゲームでも、升目に置かれた臓器に関するクイズに正解するとマスが開けられるというルールで、どうにかして正解しよう!ビンゴにしよう!とみんな意欲的に参加していました。
解剖学のテキストを開いて一生懸命に答えている姿が印象的でした。
最後は表彰でした。
当校は「学校の魅力・滑川の魅力を伝えられたで賞」をいただきました。
アンケートを見ると、オンライン開催のため交流という点では物足りなさもあったようですが、同じ夢を持つ学生同士で交流できたのはとても良い機会だったようです。
この交流会が良い刺激となり、今後の学生生活に活かしてもらいたいですね。
22.08.30
2022年度 第2回オープンキャンパス開催
8月25日(木)に今年度2回目のオープンキャンパスを開催しました。
看護学科のマスコットキャラクター(?)と2年生が書いたウェルカムボードが参加者をお出迎え。
まず初めに、杉原学科長による学科紹介、2年生による学生生活の紹介で「学校で学ぶ」をイメージしてもらいました。
次に、教員による「かんごノはなし」で講義体験をした後、実習室に移動して「包帯法」の演習体験も行いました。
在校生との座談会では、入学試験対策や入学後の学習方法などの質問がありました。
2年生は経験を踏まえて丁寧に答えていました。
【 アンケートより 】
- とても雰囲気が良く心地よかったです。
- この学校の良いところがわかり、興味・関心が深まった。
- 優しく接してくださり、リラックスして参加することができました。
ご参加いただいた皆さん、ありがとうございました。
来年の4月にまたお会いできることを楽しみにしています。
22.08.09
母性看護学(学内演習・病院実習)
2年生は、「母性看護学方法論Ⅰ」の講義で妊娠期の経過や看護について学んだ後、妊婦体験と腹部診察の演習をしました。
妊婦体験
妊婦体験用の腹部を装着し、マタニティウエアを着用しました。
【 学生の感想 】
- 階段を昇ったり降りたり、ペンを拾ってみたりしたがとても拾いにくかった。布団から起き上がる時にも仰向けからすぐに起きることは難しく、横向きになってから起き上がる必要があると知った。
- 想像以上に大変だった。重たさはもちろんだが、下が見えにくかったり床に座ることも辛かった。実際に胎児がいると考えると、お腹にあまり衝撃を与えないように過ごす事も難しいと感じた。妊婦さん達が生活を送る中で感じる不便や、大変さの一端を知ることができた。
- 妊婦は仰向けに寝ると負担がかかるようなので、体勢にも配慮する事が大切であると学ぶことが出来ました。
- 汗が噴き出てきました。 夏の妊婦さんは辛いといわれている理由が分かった気がしました。布団に寝る際はお腹の重みでお腹から着地しそうになり、 靴下をはく際も前にかがめず倒れそうになるなどこんなに大変なのだなと感じました。
- グループのメンバーみんながとても積極的に演習に取り組んでいて、将来自分がママになった時を想像して楽しそうにしていた。
次に、お腹にタオルを入れて、さらしの腹帯を巻いてみました。
お腹を支えるように横腹で折り返すのがポイントです。
男子学生も練習しました。
【 学生の感想 】
- 腹帯の巻き方については、妊婦褥婦で巻き方が異なることを学んだ。
- 妊婦はお腹を下からホールドするように、骨盤も巻いていくとよいとわかった。
- 普段はさらしを使うより、コルセットタイプの物が使いやすいということもわかった。
腹部の計測
腹部の計測をしました。
【 学生の感想 】
- 膝をたてて腰の下にメジャーを通してから、測定時に膝を伸ばすよう声かけすることで妊婦の身体の負担を抑えることができた。
続いて、3年生の病院実習の様子です。
母性看護学の実習グループが、かみいち総合病院で沐浴実習に臨みました。
大切なお子様の観察や沐浴実習を快く承諾してくださったお母様、本当にありがとうございました。
新生児の観察
新生児(赤ちゃん)を起こさないように、そっと聴診器をあてて心臓の音を聴いています。
【 学生の感想 】
- 大人よりも拍動が早く、呼吸音も聞こえるので、数えるのが難しかった。
黄疸の検査をしています。
沐浴
顔を拭いています。
慣れていないときは、お湯に入る前に拭く方が簡単です。
目に石けんの泡が入らないように注意して頭を洗っています。
首から胸・お腹を洗っています。
首は皮膚が重なっているので丁寧に洗います。
顔がお湯につかないように、頭が浴槽にぶつからないように注意して背中を洗っています。
石けん成分を洗い流しています。(かけ湯)
お湯から上がり、寒くならないようにからだを拭いて服を着せます。
右手で新生児の手を持ち、左手で袖口から迎えに行っています。
お臍の消毒をしています。
【 学生の感想 】
- 学校で練習し、実習中に助産師さんの沐浴を見学して臨みました。新生児が元気に手足を動かすので難しかったけれど、メンバーも協力してくれて何とか安全に実施できました。ママたちも、家族に手伝ってもらって楽しく沐浴できたらいいんだと実感しました。
22.08.01
上市高等学校 県内進路研修
7月6日、本年も上市高等学校の生徒さんが県内進路研修で来校されました。
看護学科には4名の生徒さんが参加しました。
最初に、杉原学科長が看護師になる方法についてミニ講義をしました。
その後は、実習室で色々な演習体験をしました。
まずは、手洗いの方法についてです。
特殊なクリームを手にすり込みます。
そして、特殊な光に手を当てると、汚れている部分が光ります。
手を丁寧に洗ったのちに、もう一度特殊な光に手をかざすと?
どこも光っていませんね、素晴らしいです!
上市高等学校の生徒さん方は、大変きれいに手を洗うことができました。
手洗いの後は、”体の音を聴く” というテーマで聴診器を使用した演習を体験しました。
心臓の構造と血液循環、血圧に関するミニ講義を受けた後、お互いのコロトコフ音*1) を聴診器を用いて聴いてみました。
*1) コロトコフ音:動脈を圧迫して一旦血流を止めた後、圧力を低下させた時の血管音。血圧測定に使われる。
音のなり始めが収縮期(最高)血圧、音が消える頃が拡張期(最低)血圧です。
なり始めの音を漏らさず聴き取るのが難しかったようです。
最後にモデル人形で呼吸音と腸蠕動音*2) をみんなで聴いてみました。
*2) 腸蠕動音(ちょうぜんどうおん): 腸が動くときに発生する音。空腹時にゴロゴロとなる音がその一例。
看護学科に興味を持っていただけましたでしょうか。
皆さんの進路を考える上で参考になりましたら幸いです。
22.06.29
1年生 看護技術演習~バイタルサインの測定~
6月中旬、1年生が “バイタルサインの測定” の技術演習に臨みました。
バイタルサイン(vital signs)は生命徴候と訳され、生命の維持に必要な徴候を意味します。
患者さんの経過や症状を把握するための指標となるので、バイタルサインの測定は大切な技術です。
演習後のふり返りに「自分自身の体温を測ったり、脈拍を測ることはあっても、人の体温や脈拍を測ったり、血圧を測定することは初めての体験でスムーズには出来なかった」という言葉があった通り、緊張を伴う演習だったようです。
体温計は体軸に対して、30~45度の角度で腋窩中央に挿入します。
脈拍測定は、第2~4指をアーチ形に揃えて測定します。
その後、患者さん役に気づかせないように呼吸測定を行います。
気付かれずに測定するのは、意外に難しい!
アネロイド式血圧計で血圧測定をします。
まずは、触診法で収縮期血圧(最高血圧)の目安を立てます。
学生からは「上腕動脈を見つけるのが一番難しかった。」という声が聞かれました。
その後、ゴム嚢の中心が上腕動脈の上にくるようにマンシェットを巻きます。
指が1~2本入る強さで巻くのですが…上手くいきません!
【 演習を終えて (学生レポートより) 】
これまでは測定される立場でしたが、実際に看護師役になって測定する立場となったとき、「見た目より何倍も難しい」と多くの学生が感じていたようです。
また、血圧測定(聴診法)では、測定に集中するあまり患者さんの様子まで確認できなかったと反省する声も聞かれました。
一番多かったのは、「説明(声掛け)は大切である」という意見です。
次に、何をするのか説明することによって、患者さんは安心感を抱くということ、また不安に思って接すると患者さんに伝わってしまうということを患者役になって経験することができました。
患者さんの立場にたって考えることは大切なことです。
今回の気付きを忘れないで欲しいと思います。
また、「他者の脈を取り、改めて命とかかわる仕事であることが分かった」という感想もありました。
バイタルサインは、まさに命に直結する情報です。
患者さんの反応を確認しながら、正確に測定技術を習得して欲しいと思います。